入院2日目(3)
ベッドまでストレッチャーで運ばれ「はい、ベッドに移りますからね」と言われたので、
普通にムクっと起きて「よっこらしょ」とベッドに移ったら、何か変な空気が流れた
「私、ストレッチャーから自分でベッドに移った人、初めて見た………」
4人の看護師の1人が呟いたのを聞いて初めて、ストレッチャーから患者が降りる時は
「運んで降ろされるもの」であり、あまり元気に自分で降りるものでは無いらしい事に気づいた
だから4人も居たのか…
なーんだ、じゃぁ帰ろうって感じで4人は帰っていた。
酸素マスクをつけられてけれど、瞬時に麻酔か覚めていて、吐き気もなく普通だったので
相方から財布を返してもらったり、読みたい本を出したりテレビを点けたりした。
術後1冊目の選択は「累犯障害者」
担当看護師が「血圧計りますねぇ」と、腕に帯を巻いてシュコシュコすると「あっ」と
いう顔をした。「もう一回計りますねぇ」「……あれ?もう一回…」
デジタル表示を覗くと、『血圧 上90 下20』
20って何?
腕をすごくだらーんとして、また計り直すと下40まで持ち直した。
たまの休み、心臓だって休みたかったんだろう、多分。
マスクをつけた状態で、友人らに「今すぐ炒飯が食べたいです」という写メールを送った
母が「大丈夫?」と聞いたので答えた。「腹減った」
「明日まで我慢、我慢。大丈夫そうだね、じゃあママ達帰るから」
この日はまるまる絶食である。
午後3時半 空腹で目眩いがした
午後4時 空腹で腹が鳴り(この段階で既に胃腸が活動開始)、イライラし始める
食べてはいけない?もう腹は動いているのに。こんなに空腹なのにか?
「食べなくて良いよ」と違って「飲んでも食べても絶対ダメ」と言われると
絶対にやってやりたくなるのだ。(←この辺は相方が一番よく理解している)
午後4時半 空腹でイライラし、導尿カテーテルのせいで手の届かない冷蔵庫の中の
プリンを激しく憎く思う。廊下から聞こえる子供の声に爆発しそうになる。
午後5時 既に、中央区まで帰宅しているであろう相方にメール
【耳栓とアメを買ってきて下さい。のど飴系やフルーツ系ではなく『キャラメル』とか
『べっこう飴』とか『あんこ飴』とかそういう胃にノッシリくるやつ】