入院2日目(2)
小さい手術なのに、医師、看護師、麻酔科医など中で5人も待機していた
ロボットみたいな手術用照明や、初めて目にする機械が手に届く範囲に沢山あり
すごく触ってみたかったけれど、怒られるのでやめた。デコや胸に心電図のピコピコを貼り
麻酔医が「本日担当致します麻酔医の○○です。よろしくお願いします、緊張は…?」
楽しくて、あまりにウキウキしすぎて、わたしの顔は明らかに笑った状態だったので
「すみません、緊張してませんで。みなさんお仕事なのに、わたしだけ楽しそうにしてて
なんか、もう申し訳なくて」と皆さんに首だけあげて挨拶してみた。
一番偉い看護師さんが笑って「いいんですよ、私たちも仕事ですから
大丈夫ですよ、ゆっくりしててください」と不思議な返答をくれた
先生も一緒に笑っていた。
麻酔医「酸素とボーっとする気体が出るマスクをかけますから、ゆっくり深呼吸してくださいね。
ぼんやり眠くなったら、その後液体のお薬を腕から入れていって麻酔がかかります」
「はい」といいつつ「絶対に寝てなるものか」とマスクの酸素を吸いつつ、目を見開き
寝ないように頑張ってみたが、すぐに焦点が合わなくなりひどく目眩いがした。
そのまましばらく、顔をのぞき込まれた状態。でもカッと目は見開いて。
「数を数えて」と言われず、呼吸して天井を見る以外にする事がないので
かけ算をすることにした。
2の段。2×1=2……2×9=18 簡単すぎてすぐ終わった。
では7の段にしよう。…7×9=63……次は9の段にするか…?
「……さん、起きて下さい、手術終わりましたよ」
「へ?9の段は?」
気づくと既に手術台からおろされ、ストレッチャーに乗せられていた
「術時間45分の予定でしたけど、25分くらいで終わりましたよ。声出ますか?」
「……(スカスカ)」「まだ声出ませんね、すぐしゃべれるようになりますからね」
7の段で、液体の麻酔薬を入れられたらしい。全身麻酔はフェイドアウトしていく感じではなく
「ON!」「OFF!」「そしてON!」みたいな感じだ。(正直もうすこし楽しみたい所だ)
尿カテーテルは入ったままで、喉の管は既に抜管した後だった。
また病室のある棟まで移動。男性看護師を含め、何故か4人ほど病室までついてきた。
まるで大名行列だ
病室の近く、足下の向こう側に、母と相方が見えた。