裁判所へ行ってみよう!(弐)

裁判が開かれている階へ移動した。ぱっと見、普通の会議室入り口のように見えるが、入る人の立場によって

ドアが分けられている。



 



ここは「当事者出入口」で、傍聴人は「傍聴人入口」から入室する。

どちらも小窓がついていて、外から中の様子をソーッとのぞく事が出来るのだ。



 


傍聴一件目「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反」に対する裁判



入室し、向かって右が被告・弁護人側、左側が検察側。中央の裁判官と下段の書記官は

あの黒い“法服”を着ていた(←シルクが一般的だったが、最近はポリエステルも多いそうだ)



検察官席を見ると、そこに高嶋政伸が居たので、すごくビックリして思わず二度見。

「あれ?今日ってドラマの撮影見学だったか?!」一瞬、混乱するほど、あまりにも高嶋政伸に似た

その検察官は、風呂敷に包まれた書類を解き、静かに証人を見つめていた



いわゆる迷惑条例法違反で捕まった被告は20代の男性、執行猶予中(前回結審から2ヶ月)で

再逮捕されてしまったチカン氏。実刑は免れないようだ



犯罪だと解っていても、電車でお尻を触りたい欲求に勝てなかったとの事。

休日に、わざわざお尻を触りに、いきつけの地下鉄に乗ったらしい。

一見学生風で、社会科が好きそうなタイプのチカン氏は、肩を落とししょんぼりしていた。

母親が今後の更正について「休日は家から出さず、電車通勤する様な場所で仕事もさせません」と証言。

チカン氏が「こんな性癖をもってしまい…」と発言し「性癖じゃありません、犯罪です」と叱責を受ける

場面もあった



弁護人も検察官も裁判官も、反省、責任、他人の気持について語っていたけれど

“衝動が抑えられない”と言っている人に、倫理や法律は通用しないのではないだろうかと思う



精神鑑定ではなく、男性ホルモンを抑える薬とか、もっと面白い風俗を教えるとか(そんな事裁判で言えない)

なにか、抜本的な解決方法はないものだろうか。

「情けない」と泣く母親が、一番可哀想に思えた。



ちなみに、噂通り、慣れた傍聴マニアが数名居た。

彼らについてあるけば、無駄な時間無く、コンパクトに興味深い審議を渡り歩けるのだ