入院1日目(1)

午前十時頃、中心部からはえらく遠い場所にある病院に到着(←中央区民の横柄な表現)

不用意にフラフラ出歩くと絶対に迷子になる巨大な病院である

大病院だが、財前先生が総回診してるような雰囲気ではなく、医師もスタッフもフランクで

設備も新しく大変快適。ここになら住める



2人部屋の私が、今回棲むベッドはこちらの「豪華電動式介護ベッド」

 



病院のパジャマに着替え、早速上に乗って動作させてみた

背もたれを持ち上げると、膝部分も持ち上がり(横から見ると )便利な様に

思えるが、ベッドの折れる位置と膝の角度の設計がなんか失敗ぎみで、背もたれを上げると

うっかり足下の方から滑り落ちる。ベッドの高さは結構高く「低くする」機能はないのに

「もっと高くする」機能が付いていた

ベッドを買う時は、パンフレットで買わずに、実際に横になって決めよう。



氷、冷たい水、冷茶、あたたかいお茶が24時間飲み放題。テレビは消灯すぎても見ていてOKで

もしもつけっぱなしで眠ってしまっても、妖精さんみたいに優しい看護師さんが

そっとテレビを消しに来てくれる。もちろん読書灯で読書も可

食事前にお茶を入れに来てくれて、ベッドに居たまま上げ膳据え膳。正直、ここは旅館よりいい



フロア内のトイレ、給湯、風呂、シャワーの場所を教えてもらった

広すぎて自分の病室が覚えられず、目印にしようと考えていたトイレやシャワー室も

あちこちにあり、入院中は何度もフロアを彷徨う事になった



この日担当の「あやや似」の看護師が、素敵な笑顔でもってきてくれた下剤

 


【目には入れないこと】という注意書きが書かれているので、思わず差してみたい衝動に

かられた。好奇心に手が震えつつ、遊びで点眼実験してみるには内容量が少なかったので

あきらめて飲む事にした



冷茶に混ぜて飲むのを勧められた

 



昼食は低残渣食(おなかに残らない食事)豆腐のあんかけとジャガ芋の田舎煮、大量のご飯

 


旨くて驚く。豆腐のあんがちゃんと昆布の味だ

入院1日目(2)

別の棟に居る若い麻酔科医に呼ばれ、全身麻酔についての説明をうけに行った



医「何か心配な事はありますか?」

み「いえ、ありません(ワクワクした顔で)」

医「以前、麻酔をかけられた事ってありますか?」

み「無いんですよ、それでもう楽しみで楽しみで。全身麻酔したいがために骨髄バンクにも

  登録しましたし、北大祭の医学部で挿管セットを見に行ったり、いろいろ調べてみたり…」

医「麻酔に興味おもちですか!?(突如、目がきらめく)」

み「ええ、もう十代のころからずっと」

医「えーっと、それは好奇心?ですか?」

み「ええ、好奇心以外の何物でもないです」

医「部分麻酔でいいのに『あの落ちる時の感覚がたまらない』といって全身麻酔

  替えられるかたもいらっしゃるんですよ♪そういうのではないんですか」

み「ええ、今回が初です。」

医「ではゆっくり味わってみて下さい(笑)」

み「はい、楽しみにしています」



およそ医者との診療計画の話し合いとは思えぬ会話を楽しみ、自分の部屋へ



時間があるので、早速ぬりえだ

  



20センチ位の小さなぬりえなのに、難度が高く気絶しかけた

食後から就寝までずっと塗り続け、やっと2枚完成(左:見本 右:完成)

  

 

  



夕飯も低残渣食。すごい量のご飯、和風鮭ムニエル、味噌汁、大根のきんぴら

 

 

きんぴらは細切り大根がよく煮えていて非常に美味



翌日の手術に備え、晩飯以降の絶食を言い渡された

いつも食事に興味が無く、日頃たいしてちゃんと食べていない自分にとって

絶食など屁のカッパだと思っていた

しかしわたしという人間に於いては『食べない』と『食べてはいけない』が

大きく違う事に気づかず、手術後に後悔するのであった